市町村保健師の魅力について


市町村保健師の魅力について4期生の鈴木さんからメッセージが届いております。

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 皆さんこんにちは。平成18年に本学を卒業した鈴木逸斗です。
 私は現在、北海道十勝、帯広市の隣町にある幕別町の保健師として勤務しております。

 仕事の内容は、高齢者支援にかかわる業務に携わっています。といっても、実は、保健師として幕別で働くようになったのは、今年の4月からなので、まだ半人前にもなれていない状況です。

 私は、今年の3月まで、地域の総合病院で看護師として勤務をしていましたが、大学卒業時から保健師としての勤務を考えておりましたので、「3年くらいは病院で看護師として働こうかな」という位の気持ちで病院に就職しました。そして、その間にチャンスがあれば、保健師としての転職先を見つけ、地元である愛知県に帰るつもりでいました。しかし気が付いてみれば、愛知県に戻るどころか、8年間も病院を離れることができずにいました。

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 このように書くと、私が看護師として働きたくなかったように思われるかもしれませんが、看護師としての勤務が嫌だったわけではありません。むしろ看護師として経験しておきたいこともたくさんありました。ただ、やはり、自分の目指す将来像や、果たしたい役割をこなすには、保健師しかないという思いが強かったために、こうした考えに至ったのです。

 私が従事したかった分野は、職域保健でした。いわゆる、大手企業に配置され、その企業の中で従業員の方の健康を常に維持していく産業保健師のことです。職域保健では対象者が限られた環境にいるため、より具体的な対策を実施できると考えました。また、対象者の意識だけでは解決できないようなことを、企業側と交渉することで改善できるというのは、自分にとって大きなやりがいを感じたのです。そして幸いにも、卒業前に保健師としての就職先が見つかり、学生時代に、学力的に低空飛行をし、「国家試験合格は大変厳しい」と教員から言われた私は、奇跡的にも国家試験に合格し、もう道が決まったつもりでいました。しかし、奨学金を借りていた関係上、また、経験を積んでおきたい分野があったことから、保健師として働くことも愛知県へ帰ることも先送りにすることにしたのです。

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 ただ、ここで大切なのは、私が過ごした8年間という回り道が無駄だったのか、ということです。看護師として勤務しているときは、ただの遠回りとしか思えませんでした。もちろん、看護師としての仕事にやりがいを感じ、仕事から得られる喜びも多くありました。ただそれとは別に、「ここは自分の居場所ではない、保健師の仕事には全く結びついていない」という思いが常にあり日々葛藤していました。
ちなみに看護師勤務の8年間の内訳としては、精神科病棟で5年、内科外来で3年の勤務でした。精神科病棟では、長期入院の統合失調症患者に対する退院支援や、退院後の社会生活能力向上に重点を置いた看護を目指していました。外来では、救急患者への対応を確実なものにするため、研修に積極的に参加したり、糖尿病や高血圧の継続的指導を効果的にするために資格を取得しました。

 一方、現在保健師として、取り組んでいる仕事は、介護保険要支援者のケアマネジメント業務と、65歳以上の町民に対する1次予防・2次予防事業の計画・実施です。看護師としての経験が、現在の業務に直接的に役立っているとは言えません。むしろ、学生時代の学習内容が記憶から抜け落ちていたり、制度が変わっていたりすることでゼロからの学習となり、看護師時代の8年間が大きな障壁となっている面があります。
 ただ、看護師時代には、精神科では、対象者が安心できる関わり方や認知症患者への具体的なケアの仕方を学び、身につけることができました。また、内科外来では、生活習慣病患者への指導実践ができ、人間ドックアドバイザーの資格を取ることができました。さらに、夜勤の際には救急外来を担当し、救急対応を含めた医療現場での知識・技術の習得をすることができました。

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 このような看護師の経験が無くても、保健師として勤務した際に困らなかったと思います。しかし、今の私にとっては、こうした経験こそが自分の支えと自信になっているのです。地域住民へ安心感を与えるコミュニケーションスキルと、医療経験によるエビデンスに基づいたアドバイスができることで、地域住民に不安な思いをさせず、信頼を得ることができていると感じています。また、今は部門が違いますが、特定健診における保健指導も保健師の仕事です。この場面では、外来での経験や取得した資格を大いに活かせると信じています。
 このように充実している保健師の勤務ですが、先にも述べましたが、私は、目標としていた職域保健に携わることはできていません。しかし、役場という職場内で、産業保健師の役割を担うことは不可能ではないと信じています。そのためにも、今、学べることを学び、後々の糧にしたいと思っています。

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 長々と書きましたが、皆さんに伝えておきたいのは、「どんな回り道でも、無駄にはならない」ということです。今後、職場や業務内容が、希望通りにならないことはたくさんあると思います。しかし、目の前で起きている一瞬一瞬を大切に、真剣に過ごすことが将来の糧になります。目標を諦めるでも、現況を嘆くでもなく、「今ここで、自分に何ができるか」を必死に考えることがとても大切であり、そうしているうちにチャンスが巡ってくると思っています。

 

 皆さんがいろいろな経験を積み、他の誰にも出せない色を持つことでチャンスは巡ってきます。皆さんのご活躍を心より祈っております。

保健所保健師の魅力について


保健所保健師の魅力について13期生の三島さんからメッセージが届いております。

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 私は平成26年3月に卒業した三島孝文です。
 私は今年の4月から、北海道日高にある浦河町で、浦河保健所で勤務しています。

 私は、仕事において、まだまだ半人前にすらなれず、大変な状況ですが、私が支援している障がい者の方たちと一緒に楽しくお話をしているときに、優しい笑顔をみせてくれたり、明るく前向きな姿勢をみていると、仕事の疲れも吹き飛び、元気が出ます。
 そのうちに、「北見という土地柄、そしてこの大学は閉鎖的だ!」、「もともと志望校じゃなかったんだ!」と本学に来たことを後悔し、自分の不満を北見という地域や大学のせいにしてぶつけていました。私が保健師を目指すようになった理由や、学生生活について、お話したいと思います。

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 私が本学に入学した動機ですが、私は、派遣の仕事を長い間していましたが、「このままで将来大丈夫なのか」と、いつも不安を感じていました。
 このことから、「看護師であれば、働き口に困らず安定した生活を送れる」と思うようになり看護師を目指しました。
 何とか試験に合格し、入学することができ、私の気持ちは、大変高ぶり、浮かれていました。
 憧れのキャンパスライフ、新しい出会い、新しい地域への期待から、「これからは楽しいことがたくさんあるぞ!」と思っていました。
 また、看護への期待や熱い思いがあり、「教員や同級生と看護について意見交換や熱い議論をするんだ!」と燃えていました。
 しかし、期待と現実のギャップは大きく、甘くはありませんでした。
 看護の厳しさに叩きのめされただけではなく、何をやってもうまくいきません。

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 さらに、誰にも会いたくなくなり、1人になりたくて気分転換に出かけると、翌日にクラスメイトから「昨日見かけたよ」と言われ、「ここは休日でも誰かに見られて、プライベートな時間も持てないのか!」と憤り、他人への不信感が募り、引きこもるようになりました。
 こんな状況が続きましたが、ある日、「このままではいけない、何か行動して自分からみんなに心を開き、今の状況を変えなくてはならない」と思い、「ボランティア」、「アウトドア」、「スキー」、「いきもの探求会」、「beats研究会」など、手当たり次第に、色んなサークルに入りました。
 これが結果的によい方向に動きました。
特に、ボランティアサークルが大変楽しく、ALS講演会、被災地ボランティア、知的障がい者を対象にしたオープンカレッジ、北見工大生と協働での除雪ボランティア、絵本の読み聞かせ、森林ボランティア、車いすバスケ等、様々な体験ができました。
 これらがきっかけとなり、特定疾患や精神疾患、ダウン症、脊髄損傷など様々な障がいを持って暮らしている人とも知り合えました。
 また、サークルを通して、同級生だけでなく、先輩や後輩、他大学生とのつながりもできました。

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 うれしかったのは、ボランティア活動の際に、障がいをもつ方たちから「どうもありがとう」、「すごく助かったよ」、「また来てくれたの?」などと、私に笑顔で声をかけてくれたことです。

 私は何も役に立たない存在だとずっと考えてきましたが、初めて自分の存在を認めてくれたような気持ちになりました。
 また、一緒に楽しんでいる障がい者の方の様子を見ると、とてもすがすがしい気持ちになり、不思議とそれまでたまっていた自分の心や体の疲れが一気に吹き飛びました。

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 特に印象に残っているのは、「自立とは選択肢があるってことだよ」という言葉をかけてくれたALSを持つ渡辺さんとの出会いでした。
 この言葉は今でも覚えています。 当初、私は障害をもつ方たちは、「悲観的で、暗いものしかないのではないか」イメージしかありませんでしたが、実際に出会うと、様々な背景や、大きな障がいを持ちながらも、前向きに明るく、互いに助け合いながら活き活きと過ごしていることに気づきました。

 この経験は、小さなことでクヨクヨと悩んでいた私自身に勇気を与え、大きな力を与えてくれました。
 この経験がきっかけとなり、障害を持つ方たちの支えになりたいと思いました。
 そのためには、障がい者の方たちを支援している保健所保健師になったらいいのではないかと考えました。
 そうして「将来保健師になるんだ!」という大きな目標をたて、夢を実現させるために必死に毎日勉強するようになりました。

 現在、本学で大学生活を送っている皆さんは、何に興味を持っていますか?  もし、今大学生活がつまらない、面白くないと感じているのであれば、自分の興味があることに関するサークルや活動をしませんか。

 本学には、被災地ボランティアや災害活動対策を考える「beatS研究会」、「生物を探求するいきもの探求会」などのサークルや、国内にある赤十字大学の学生と交流する「6大学交流会」などの活動等、この大学でしか体験できないことがあります。

 また、興味のあるサークルがなければ、仲間を集めてサークルを立ち上げるのも面白いと思いますし、サークルにとらわれる必要もないと思います。

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 強く思うのは、自分の興味のあることを何でもやってみることです。

 授業や実習だけでなく、自分の日々の生活や様々な体験のなかにこそ、看護に通じるものがあるのではないかと思います。
 その中から新しい出会いや体験があると思います。

 今しかできない大学生活を有意義に楽しんでください。

同窓生が遊びに来てくれました


12期生の澤崎さんが、現在取り組んでいる研究について 煮詰まってしまったとのことで、相談に来ました。

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看護師になってからも研究しなくてはなりません。

顔はNGとのことで、このような写真になっております。

研究頑張りましょう。

精神保健看護学領域の吉谷先生から Vol.5


「11月9日(日曜日)、新しい家族が来ました。

どちらも女の子、8月の末に生まれて、引き取り先を探していたそうです。
今、900グラムぐらいです。

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一緒に写っているリンゴは、先日、同窓会ウェブサイトに載せた、あの北見産リンゴです。

ブチのコが活発で、縞のコが少しおとなしいですが、とても仲良しです。」
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うれし涙をながす為に


看護師国家試験に向け、猛勉強中!

来年の2月22日に看護師国家試験が
あります。国家試験まで残り3カ月弱です。

脇目も振らず勉強しております。
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「看護師国家試験勉強の他に保健師国家試験の勉強もしています!」
机の上には、国家試験対策テキストが所狭しと並べられています。
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男子学生も必死に勉強しています。
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「人生の中でこんなに勉強したことはありません!」

怠けているわけではありません。長時間、同じ体位で机に向かって勉強を続けると、体が悲鳴をあげるのです。
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「体の節々が痛くても、勉強を止めるわけにはいけません。
横になってでもひたすら勉強です!夕食はカップ麺です!」

黙々と勉強しています。
みんな真剣です。
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自分の勉強をしやすい環境を求め、各自
空いている教室や図書館に散らばります。

こちらは、図書館です。
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鉛筆の文字を書く音だけが静かに響きます。

時には、皆で教えあい助けあいます。
辛くて苦しいこの時期、「弱さを絆に」
仲間の力が大切です。

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広い部屋を確保できました。
「私たちの勉強部屋です!」

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