保健所保健師の魅力について


保健所保健師の魅力について13期生の三島さんからメッセージが届いております。

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 私は平成26年3月に卒業した三島孝文です。
 私は今年の4月から、北海道日高にある浦河町で、浦河保健所で勤務しています。

 私は、仕事において、まだまだ半人前にすらなれず、大変な状況ですが、私が支援している障がい者の方たちと一緒に楽しくお話をしているときに、優しい笑顔をみせてくれたり、明るく前向きな姿勢をみていると、仕事の疲れも吹き飛び、元気が出ます。
 そのうちに、「北見という土地柄、そしてこの大学は閉鎖的だ!」、「もともと志望校じゃなかったんだ!」と本学に来たことを後悔し、自分の不満を北見という地域や大学のせいにしてぶつけていました。私が保健師を目指すようになった理由や、学生生活について、お話したいと思います。

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 私が本学に入学した動機ですが、私は、派遣の仕事を長い間していましたが、「このままで将来大丈夫なのか」と、いつも不安を感じていました。
 このことから、「看護師であれば、働き口に困らず安定した生活を送れる」と思うようになり看護師を目指しました。
 何とか試験に合格し、入学することができ、私の気持ちは、大変高ぶり、浮かれていました。
 憧れのキャンパスライフ、新しい出会い、新しい地域への期待から、「これからは楽しいことがたくさんあるぞ!」と思っていました。
 また、看護への期待や熱い思いがあり、「教員や同級生と看護について意見交換や熱い議論をするんだ!」と燃えていました。
 しかし、期待と現実のギャップは大きく、甘くはありませんでした。
 看護の厳しさに叩きのめされただけではなく、何をやってもうまくいきません。

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 さらに、誰にも会いたくなくなり、1人になりたくて気分転換に出かけると、翌日にクラスメイトから「昨日見かけたよ」と言われ、「ここは休日でも誰かに見られて、プライベートな時間も持てないのか!」と憤り、他人への不信感が募り、引きこもるようになりました。
 こんな状況が続きましたが、ある日、「このままではいけない、何か行動して自分からみんなに心を開き、今の状況を変えなくてはならない」と思い、「ボランティア」、「アウトドア」、「スキー」、「いきもの探求会」、「beats研究会」など、手当たり次第に、色んなサークルに入りました。
 これが結果的によい方向に動きました。
特に、ボランティアサークルが大変楽しく、ALS講演会、被災地ボランティア、知的障がい者を対象にしたオープンカレッジ、北見工大生と協働での除雪ボランティア、絵本の読み聞かせ、森林ボランティア、車いすバスケ等、様々な体験ができました。
 これらがきっかけとなり、特定疾患や精神疾患、ダウン症、脊髄損傷など様々な障がいを持って暮らしている人とも知り合えました。
 また、サークルを通して、同級生だけでなく、先輩や後輩、他大学生とのつながりもできました。

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 うれしかったのは、ボランティア活動の際に、障がいをもつ方たちから「どうもありがとう」、「すごく助かったよ」、「また来てくれたの?」などと、私に笑顔で声をかけてくれたことです。

 私は何も役に立たない存在だとずっと考えてきましたが、初めて自分の存在を認めてくれたような気持ちになりました。
 また、一緒に楽しんでいる障がい者の方の様子を見ると、とてもすがすがしい気持ちになり、不思議とそれまでたまっていた自分の心や体の疲れが一気に吹き飛びました。

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 特に印象に残っているのは、「自立とは選択肢があるってことだよ」という言葉をかけてくれたALSを持つ渡辺さんとの出会いでした。
 この言葉は今でも覚えています。 当初、私は障害をもつ方たちは、「悲観的で、暗いものしかないのではないか」イメージしかありませんでしたが、実際に出会うと、様々な背景や、大きな障がいを持ちながらも、前向きに明るく、互いに助け合いながら活き活きと過ごしていることに気づきました。

 この経験は、小さなことでクヨクヨと悩んでいた私自身に勇気を与え、大きな力を与えてくれました。
 この経験がきっかけとなり、障害を持つ方たちの支えになりたいと思いました。
 そのためには、障がい者の方たちを支援している保健所保健師になったらいいのではないかと考えました。
 そうして「将来保健師になるんだ!」という大きな目標をたて、夢を実現させるために必死に毎日勉強するようになりました。

 現在、本学で大学生活を送っている皆さんは、何に興味を持っていますか?  もし、今大学生活がつまらない、面白くないと感じているのであれば、自分の興味があることに関するサークルや活動をしませんか。

 本学には、被災地ボランティアや災害活動対策を考える「beatS研究会」、「生物を探求するいきもの探求会」などのサークルや、国内にある赤十字大学の学生と交流する「6大学交流会」などの活動等、この大学でしか体験できないことがあります。

 また、興味のあるサークルがなければ、仲間を集めてサークルを立ち上げるのも面白いと思いますし、サークルにとらわれる必要もないと思います。

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 強く思うのは、自分の興味のあることを何でもやってみることです。

 授業や実習だけでなく、自分の日々の生活や様々な体験のなかにこそ、看護に通じるものがあるのではないかと思います。
 その中から新しい出会いや体験があると思います。

 今しかできない大学生活を有意義に楽しんでください。